グレープフルーツジュースと同濃度の6種類のフラノクマリンを含む溶液を調製し、CYP3A活性に対する阻害作用を調べたところ、それぞれのフラノクマリン類単独では阻害作用は弱かったが、6種のフラノクマリン類を全て添加した溶液では、グレープフルーツジュースと同程度の阻害作用が示されたと報告されています。
市販のグレープフルーツジュースおよび関連柑橘類ジュースに含まれるフラノクマリン類の濃度を測定し、個々のジュースでヒト肝ミクロソームCYP3Aの代謝機能阻害を測定した研究があります。
市販のグレープフルーツジュースおよび関連柑橘類ジュースに含まれるフラノクマリン類の濃度を測定し、個々のジュースでヒト肝ミクロソームCYP3Aの代謝機能阻害を測定した研究があります。
その結果、オレンジジュースはフラノクマリン類を含まず、CYP3A活性に対する阻害もほとんどみられません。
一方、グレープフルーツジュースでは、商品間でフラノクマリン含量が異なるものの、含量の高いもので70%、低いもので50%程度、CYP3A4を阻害することが示されています。
キリントロピカーナ®(阻害作用が強かった)と同濃度の6種のフラノクマリンを含む溶液(グレープフルーツジュース"もどき")を調製し、CYP3A活性に対する阻害作用を調べたところ、それぞれのフラノクマリン類を単独で添加した溶液では阻害作用は低かったが、6種のフラノクマリン類を全て添加した溶液では、グレープフルーツジュースと同程度の阻害作用が観察されたと報告されています。
したがって、ジュース中に含まれるフラノクマリン類だけで、グレープフルーツジュースの阻害はほとんどが説明できると考えられます。
ちなみに、薬物によるCYP活性の低下は、可逆的な競合阻害と不可逆的な酵素修飾による不活性化の両方によって起きると考えられます。
ちなみに、薬物によるCYP活性の低下は、可逆的な競合阻害と不可逆的な酵素修飾による不活性化の両方によって起きると考えられます。
ジュースを含むそれぞれの溶液とヒト肝ミクロソームをあらかじめ15分間反応させると、阻害活性が顕著に亢進することが示されています(GF-I-2は除く)。
この現象は可逆的な阻害だけでは説明がつかず、グレープフルーツジュースによる代謝阻害に不可逆的な酵素の失活が関係していることを示しています。